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野生動物について考えてみましょう!

知らないことは怖い・・・  
旭川市内で捕獲されたアメリカミンク

 最近、野生動物について、いくつかの大きな誤解を見聞きしました。

 先日、某テレビ局で放映された番組の中で、ラムサール条約の登録地と国立公園に指定されている釧路湿原の紹介がされていました。雄大な大自然の映像が映し出される中、「ミンクがひょっこり顔を出した、手つかずの大自然が残る釧路湿原」とナレーション。
???…、ここまでで何かおかしいことに気づいてください。

 ミンクは、昔から北海道にいたわけではなく、北アメリカから連れてこられて野生化した「外来動物」です。昭和3年に農林省が、昭和28年に北海道庁が毛皮産業のために輸入したのが始まりとされています。それらが逃げたり、捨てられたりした結果、野生化し、瞬く間に生息域を広げてしまいました。絶滅が危惧されるニホンザリガニなどの生き物が食い荒らされています。人が持ち込んだ外来種が侵入してしまった生態系は、決して手つかずの大自然が残っているとは言えません。雄大な自然に見えたとしても、実際は人間の手によって汚されてしまっているのです。

 ミンクと言えば、先日、旭山動物園のガンカモ池「ととりの村」に侵入して、せっかくふ化したばかりのヒナを食い殺されてしまいました。ミンクも子育てのため生きることに必死です。気持ちはよくわかりますが、大切な飼育動物を殺されてしまっては困ります。侵入経路を突き止め、囲いをして侵入防止対策をとりました。
 このように、北海道全体で地元のニホンザリガニ、魚、野鳥や小動物などの生き物が襲われてしまっていることを想像すると人間の罪の大きさが悔やまれました。先祖から受け継いだ貴重な自然をそのまま残していくのであれば、ミンクを排除する必要があるでしょう。

 また、ある朝、食事を片手に新聞を読んでいると、ショッキングな映像が目に飛び込んできました。「珍しい!木に登るタヌキ!次はレッサーパンダのように立たないかな?」なんて書かれていました。「うっ、え、あ、…」、言葉を失ってしまいました。
 実は即座に、この写真の動物はタヌキではないことがわかりました。どう見ても、アライグマです!!しかも、同じような姿をした動物が複数回目撃されているようです。大変なことだ…。アニメブームで北米から多数輸入され、ペットとして飼われていたアライグマが捨てられたり、逃げ出したりして、野生化してしまいました。
 タヌキが木に登るのならば、ほのぼのとしたニュースとして取り上げられたとしても、朝からいい気分で仕事に行けます。しかし、アライグマをタヌキと間違って、ほのぼのとした雰囲気で取り上げられても、マスコミが間違った情報を読者に伝えたことに対する遺憾さとアライグマの生息域の広がりに対する懸念で朝から不快感に襲われました。

 今やアライグマは全道に急速に分布域を広げています。人間が犯した罪の大きさは、重大です。アライグマが侵入したことで、ミンクと同様に在来の小動物は食い荒らされています。それどころか、同じような生活をするキツネやタヌキまでもが生存競争に負けてしまっているのです。アライグマには罪がありませんが、先祖から受け継いだ自然を残していくためには、人間の過ちを精算する、つまり駆除するしか方法はないでしょう。

 アライグマの捕獲駆除に参加したことがあります。たまたま、ミンクがわなに入っていたところ、アライグマの有害駆除申請は下りているけれど、ミンクの駆除許可は取っていないからとの理由で、逃がしました。なんだかやるせない気になりました。動物愛護と野生動物保護は全く異なるもので、混同してはいけません。アライグマやミンクがかわいそうなので駆除できないとすれば、北海道の野生動物は決して守れないでしょう。

 いやはや、知らないことは本当に怖いものです。野生動物を次世代にも残していくためには、正しい知識をもつことが最も重要であるということです。だからこそ、動物園は伝え続けていくのです。
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